あなたは「知的経験」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
読書すること? 新聞を読むこと? テレビニュースを見ること?
『知的経験のすすめ』開高健(青春文庫)から引用します。
1.世の中の黄金法則
世の中の黄金法則 何かを手に入れたら何かを失う。痛みなくしては何物も入手できない
(p39)
「痛みなくしては何物も入手できない」とは、なんときびしい言葉。
つい先日のことでしたが、私、突然「マンガ家になりたい」と思ったんですよ。
「マンガ家」といっても、それで生計をたてるということではなく、趣味でマンガを描けたらいいなと思ったんですけどね。
イラストレーターといってもいいですが、どうせなら4コママンガが描けるマンガ家さん。
たまにTwitterでマンガを載せている方がいらっしゃるじゃないですか。
ああいうのを見て「いいな、自分も描きたいな」と思いました。
2.理想と現実
私がマンガを描けるようになるのが「理想」だとします。はたして「現実」はどうでしょうか。
56歳の今にいたるまで、マンガを描いた経験なし。プロのマンガ家さんの話ですが、小学生の頃からマンガを描いていた、というのがありました。
高校生の時、同級生にマンガのうまい人がいました。先生の似顔絵を描いて、皆から拍手喝采を受けていました。
私はとにかく絵が苦手です。それでこれからマンガの勉強をしようとして、3年? 5年? 10年? かければマンガ描けるようになるのでしょうか。
「痛みなくしては何物も入手できない」とのことですが、この場合の「痛み」とは何でしょうか。日々の訓練という痛みですか?
マンガ家になりたいな、と思いながら、日頃何の練習もしないのでは、永遠に到達することはできないでしょう。
じゃあ今から練習するか、ということですが、なにせ思いつきで「マンガ家になりたい」と言っただけなので、本格的に勉強しようという気が起こりません。
電子書籍で「マンガ家になる」という内容の本を買いましたが、トレースする台(下から光をあてて、すかして見る)が必要だと書いてありました。
そんなものを置いておく余地はないし、買うお金もない。
またマウスの代わりにペンタブレットが必要ですが、それを買う余裕もない。
Twitterである人に「絵が上手ですね」と問いかけたら、「日頃から練習しているからね」という返事がかえってきました。
3.手足を使う
心で心をきたえることは必要だが、手と足を忘れている。(略)台所仕事でもいい。スポーツでもいい。畑仕事でもいい。手と足を思い出すことです。それを使うことです。
(p216)
夕方から夜にかけて、悲しくなることが続いています。
昨日は妻の帰りが遅かったので、夕食後もパソコンをしました。パソコンに原稿を打っている間は、悲しい気持ちを味わうことがないのですね。
まあマンガ家になるというのはおいといて、実際私は何をすればいいのか。
知的経験だから読書をすればいいのでしょうか。
読書ならできます。
先日、妻に「○○というニュース知ってる?」と聞かれました。
それは新聞に載っていたニュースなのですが、私は新聞をほとんど読まないので、「わからない」と答えました。
そんな自分を恥ずかしく思いました。
そして夕方になると、座椅子を倒し、体を横たえてしまいます。
当然気分も落ち込みます。
夕方など、どうしてもつらくなると、抗不安薬を飲みます。
そんなとき必要なのは、とにかく手を動かすこと。
ただし、開高健さんがおっしゃっているのは、手作業ではなく、体全体を使うということでしょう。
夕方ゆううつになったらどうすればいいのでしょうか。体操をすればいいのかな。
ただいま午前7時10分。
今朝は5時に目が覚めました。朝食をとり、不安発作が起こらないうちにこうしてパソコンの前に座っています。
私は、一日おきくらいしか、外出しません。
やはり決定的に体を動かすことが足りませんね。
知的経験には、頭を使うことだけでなく、体を使うことも必要なようです。
バランスのとれた生活が大切でしょう。
体をほぐし、脳の血流をよくして、それから考えることです。
○開高健の名言
ニジマスが海におりたのを”スチール・ヘッド”と呼ぶが、そのときは腹の虹のバンドが消えてただのマスとなり、海からふたたびあがってくると、虹がまたあらわれてくるのだ。どうしてか淡水は住人を華麗に仕立てるようである
それでは最後に、「ありがとう」
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