今日ご紹介する本は、日本の江戸時代の占いについてのものです。
本のタイトルは『みたい!しりたい!しらべたい!日本の占い・まじない図鑑2 人びとの幸せをかなえる占い・まじない』です。
1. 本の紹介
この『日本の占い・まじない図鑑』は全3巻です。
オールカラーで、児童向けのものです。
大型本で、30ページしかないのに値段は2,800円。
ちょっと気軽に買うには抵抗がありますね。
タイトルだけ見て、あわててネット通販で買わないでください。
「占いの歴史が好き」という人は、愛蔵版という意味で、購入してもいいでしょう。
しかし、内容を知りたいだけなら、図書館から借りてくることをおすすめします。
2. 浮世絵の登場
あなたも浮世絵というものを見たことがあるでしょう。
江戸時代に入り、人々の暮らしが安定してきました。
それまで特権階級だけが芸術文化の担い手でしたが、江戸時代は、町人がはじめて文化というものにふれることになったのです。
江戸時代初期、浮世絵の元祖と呼ばれたのが、菱川師宣(ひしかわ・もろのぶ)です。
ほかにも有名な浮世絵師の名前をあげます。
東洲斎写楽(とうしゅうさい・しゃらく)、歌川広重(うたがわ・ひろしげ)、葛飾北斎(かつしか・ほくさい)です。
3. 浮世絵と辻占煎餅
さて、占いがテーマなのに、なぜ浮世絵を紹介したのかを説明します。
浮世絵の題材のひとつに、歌舞伎役者があります。
この歌舞伎役者の浮世絵に、占い文句を書いた紙片がついていました。
その浮世絵と占いのセットが「辻占煎餅(つじうらせんべい)」といって、煎餅と一緒に売られたそうです。
浮世絵は当時いくらくらいしたのでしょう。
これについては、現在の価値に直して数百円から数千円だという説があります。
庶民がちょくちょく買える値段ではありませんね。
4. 辻占菓子の登場
この辻占が、駄菓子についた「辻占菓子」というものが販売されるようになりました。
辻占菓子は明治時代になってからも売られていたそうです。
石川啄木(1886(明治19)年2月20日生まれ、1912(明治45)年4月13日没)が、1908(明治41)年8月の日記に、「友達と一緒に寺院の前で辻占菓子を買った」と記しているとのことです。
石川啄木というと「はたらけどはたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざりぢっと手を見る」という歌が思い起こされます。
あ、あなた、今自分の手を見たでしょう?スミマセン。占いから話題がそれました。
5. 辻占菓子は今でも購入できる
辻占菓子は、なんと現在でも購入できるのです。
ただしお正月限定の商品です。
そのせいか、アマゾン、楽天ともに7月現在取り扱っていませんでした。
そこで探し出したのが「諸江屋」というお店。
辻占菓子の販売期間は11月26日から1月上旬までということです。

一度でいいから辻占菓子を食べてみたいな

父さんは甘いもの好きですからね
6. 江戸時代の天気占い
江戸時代には、天気占いというものがあったそうです。
これは、たとえば「ツバメが低く飛んだら雨が降る」というようなものです。
これは科学的根拠のあることなのです。
ツバメは、小さな虫を食べます。その虫は、低気圧が近づいて湿度が高くなると羽が重くなり、高く飛べなくなります。そのため、虫を食べるツバメも低く飛ぶ、というわけです。
参考 月刊SORA2016年4月号※現在は休刊
そのほかにも、こんな天気占いがありました。
「カラスが水浴びすると雨が降る」
「猫が草をかむと雨が降る」
「犬が草をかむと晴れになる」
これらの事柄に科学的根拠があるかどうかは不明でした。
7.まとめ
以上、江戸時代の占いの歴史についてみてきました。江戸時代には、道ばたに「易者さん」がいたそうですよ。
ポイント
- 浮世絵と一緒に辻占煎餅が売られた
- 辻占菓子が庶民に人気だった
- 辻占菓子は現在でも購入できる
参考

(アイキャッチ画像:TANEJIROさんによるからの写真)
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