幻覚とは、広い意味では幻視と幻聴を含みます。幻聴については先日説明したので、今日は幻視についてみていきましょう。
1.幻覚(幻視)とはどのようなものか
あるはずのないものが見える「幻視」。統合失調症の陽性症状のひとつです。
「幻視」というのも他人にとってはわからず、なぜそういうことが起きているのか、理解できないことが多いです。
認知症でも幻視が現れるそうです。
私は幻覚がないため、母の例を出します。
私の母は認知症です。
ときどき、「家の2階に住んでいる人が2人いる」と言います。実際には、私の弟1人が住んでいるだけです。その2人が、一緒に会社へ行くそうです。
そして、「2階にいるのは1人だけだよ」と言っても、後日また「2人いる」と主張します。
あるときは「家に泥棒が入った」と警察に電話をしました。
交番の人がかけつけてくれましたが、外部から誰かが侵入した形跡はなく、盗られたものも何もありませんでした。警察のかたから弟へ電話が行き、弟が帰宅しました。そして警察のかたに事情を説明し、帰っていただきました。
今にして思えば、これは「幻視」だったのかもしれません。
私は統合失調症ですが、「幻視」を見たことはありません。でも「幻視」とはこういう状態をいうのか、と母を見ながら思いました。
2.幻覚(幻視・幻聴)に効く薬
統合失調症の場合は原則として精神科にかかることになります。
認知症なら、認知症専門医がありますので、そちらにかかることになるでしょう。それ以外には精神科、心療内科、脳外科などが考えられます。
幻覚に効く薬として、抗精神病薬があげられます。
抗精神病薬とは、
精神安定剤の一。統合失調症や躁病、神経症などの治療に用いる薬の総称。神経安定薬。メジャー-トランキライザー。(大辞林 第三版より)
抗精神病薬で私が処方されたことのあるのは、ドグマチール、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン、ヒルナミンなどです。
ほかにも、リスパダール、ベゲタミン、エビリファイなどがあります。
今飲んでいる抗精神病薬はオランザピン、クエチアピンです。
ヒルナミンは、入院したときに処方されましたが、私の体に合わず、精神錯乱状態になり、数日間の記憶を失いました。
3.まとめ
幸い私は幻視・幻聴にわずらわされずにいましたが、幻視というのは、本人にとっては現実に見えていることなのです。
精神疾患とは、かくもむずかしいものです。
いわゆる「急性期」は数週間続くといわれています。
早期発見は、むずかしいですが、後の治療に大きく影響します。
やはり身近にいる人が気づいてあげるべきことなのでしょう。
○今日の名言
一時間の浪費をなんとも思わない人は、
人生の価値をまだ発見してはいない。
(ダーウィン)
それでは最後に、「ありがとう」
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