2月7日は北方領土の日です。北方領土と聞いても、具体的にどのようなところかわからない方もいらっしゃるでしょうね。この記事では、北方領土返還のメリット・デメリットについて説明します。
1.北方領土の日とは
北方領土とは、
- 歯舞(はぼまい)群島
- 色丹(しこたん)島
- 国後(くなしり)島
- 択捉(えとろふ)島
のことです。ここまではご存じですね。
そして歯舞群島は、北海道の納沙布(のさっぷ)岬の沖合3.7kmにあるのです。私は今回調べるまで、そんなに近いとは知らなかったです。
そして「北方領土の日」とは、1855年2月7日に、日魯通好条約が調印されたことにちなむものです。
この条約をもとに、北方4島が日本の領土であると定められました。
北方領土の日とは、1981(昭和56)年に、北方領土問題への関心を高めるため、政府が定めたものです。
毎年2月7日に、「北方領土返還要求全国大会」が開催されます。
2018(平成30)年には、5月から10月にかけて「北方領土の日ポスターコンテスト」が行なわれました。
2.「2島先行返還」
2018年11月14日、日本の安倍首相がロシアのプーチン大統領と会談して、歯舞群島、色丹島の2島を先行返還するように交渉していくことを合意しました。
これは、1956年の日ソ共同宣言に基づくものです。この宣言では、平和条約締結後に2島を引き渡すと記載されています。
ただし2島返還後の主権をどちらが持つのかは定められていません。日本側は日本の主権を主張していますが、確約されたものではなく、これからの交渉しだいです。
3.北方領土返還のメリット
続いて、北方領土返還のメリットとデメリットについてみていきましょう。
まずメリットからです。
3-1.航路の確保
本土と北方四島との間の根室海峡は水路が狭いため、大型船が航行できません。
北方領土4島が返還されると、大型船が航行できるようになります。
しかし2島返還ではこのメリットは生じません。
このことからすると、今回、2島先行で一歩前進したように見えますが、具体的に調べていくとどうも違うようです。

「半分」の成果があるわけではないということだな

その通りよ
3-2.漁業による利益
返還後の4島に日本人が居住することが前提ですが、漁業による利益が確保できる点がメリットとしてあげられています。
しかし現在ロシアも、環境保護の観点から漁業の制限を行なう考えを示しているようです。
仮に日本が漁業を行なうことになったとしても、世界的な反発が起こるかもしれません。
3-3.海洋資源
また海底にある資源開発などがあげられています。
3-4.日ロ平和条約の締結
日ロ平和条約が締結できれば、日本にとって利益があるといわれています。
これによりロシアによる領空侵犯が減るかもしれません。
3-5.その他
そもそも具体的なメリット云々ではなく、本来日本人が住んでいた日本の領土を、旧ソ連軍が南下して占領したという事実があるわけです。もともと日本のものであった土地を返せと要求するのは当然のことである、との主張がなされています。
4.北方領土返還のデメリット
北方領土返還のデメリットとしては次のようなことがあげられています。
4-1.居住しているロシア人の処遇
現在、北方領土にはロシア人が約17,000人居住しています。ただし歯舞群島に島民はいないとされています。
日本に領土が返還された際に、これらロシア人の処遇が問題となります。4島返還後も居住を認めるのか、ロシアに帰国させるのかということです。
おそらく、現在住んでいるロシア人は帰国を望まないでしょう。そして、ロシア人と日本人が同時に住むことはありえないと考えられます。
また、現在ロシア人が居住のために利用しているインフラの帰属はどうなるのでしょうか?
4-2.軍事的な問題
国境なので自衛隊を配備する必要があるのでしょうか?
さらに、米軍基地が設置される可能性があるのでしょうか。
その費用はどうなるのでしょう。
5.まとめ
以上、北方領土返還のメリット・デメリットとして概観してきましたが、返還に伴っていろいろな問題があることがわかりました。
北方領土にロシア人が約17,000人居住している、ということも、恥ずかしながら、知りませんでした。
今後、日ロ首脳会議が行なわれるのでしょうが、行き先は不透明です。
参考

○今日の名言
偽りの愛国心で
人を欺く行為に用心しなさい。
(ジョージ・ワシントン)
それでは最後に、「ありがとう」
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