誰でも聞いたことがある「起承転結」。今日の記事では、内容をあらためて確認します。
また、子供向けに伝えるにはどうしたらいいのか考えます。
1. そもそも起承転結とは
そもそも起承転結とはどんな由来をもっているのでしょうか。
これは、中国の「漢詩」の絶句の順番を表します。
日本でいう「短歌」や「俳句」のようなものですね。
その「漢詩」が4つから構成され、順番に起句、承句、転句、結句とよばれます。
以下にWikipediaから引用します。
起: 大阪本町 糸屋の娘
承: 姉は十六 妹が十四
転: 諸国大名は 弓矢で殺す
結: 糸屋の娘は 目で殺す
これはもちろん中国の作品ではなく、江戸後期の文人、頼山陽(らいさんよう)の書いたものです。
2. 起承転結のそれぞれの意味
起承転結のそれぞれの意味についてみてみます。
- 起:物語の前提を話します。
- 承:起を受けて、物語が始まります。
- 転:物語が意外な方向に向かいます。
- 結:結果としてどのようになったかを示します。
このように、ストーリーのあるものを順番に述べていく方法として、起承転結があるわけです。
3. 4コママンガで説明
子供向けに起承転結を説明するには、4コママンガを使うといいでしょう。
2019年7月15日の朝日新聞、「ののちゃん」を例にとります(朝日新聞でない方、ごめんなさい)
まず1コマ目。ののちゃんのお母さんとおばあさんが外を歩いています。
おばあさんが「うわっなんか水滴が」といい、お母さんが「ミストの散布よ」と応じます。
歩いていたら水滴がかかったわけですね。
そして2コマ目でお母さんが「霧吹きで暑さ対策やな」といいます。
おばあさんは「いろいろ考えるなぁ」といいます。
3コマ目。場面が変わり、太陽がかーっと照り付けます。
4コマ目(オチ)おばあさんが「アイロンかけられてるみたいや」といいます。
衣服に霧吹きで水をかけ、その後アイロンをじゅーっとかける。
これを思い浮かべて、自分のことを「アイロンかけられている」と面白おかしく比喩したものです。
ほかの新聞でも4コママンガはあると思いますので、適切なものを選んで説明しましょう。
4. 昔話で説明
マンガではなく、もう少し作文指導向けに、起承転結の例を示すには、昔話がよいでしょう。
たとえば「桃太郎」。
起:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
承:おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。
村では、娘さんたちが鬼にさらわれて困っていました。
転:あるとき、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
家に帰って桃を切ってみると、中から男の子が生まれました。
「桃太郎」と名付けられ、元気に育ちました。そしてある日、「鬼退治に行ってきます」と桃太郎はお供を連れて鬼ヶ島へでかけました。
結:桃太郎は鬼を退治して、娘さんたちを助け出し、宝物を持って帰りました。
どうでしょう? これで起承転結がわかりやすくなったでしょうか。

起承転結とはよく聞くが、説明するとむずかしいな

なんとなくわかったつもりでいるんですけどね
5. ビジネスの文書では用いない
この起承転結は、ビジネス文書にはふさわしくないといわれています。最初に結論が求められるビジネス文書では、起承転結より、5W1H(Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように))の方がよいようです。
6. まとめ
以上、起承転結について、実例をあげながら説明してきました。
いざ文章を書くときに起承転結を考えるのは結構むずかしいですね。
- 起承転結は中国の漢詩から
- 子供向けには4コママンガで説明
- 昔話で説明もよい
(アイキャッチ画像:紺色らいおんさんによるからの写真)
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