東京都港区が、南青山に児童相談所を建設する計画について、住民説明会で反対の声が上がりました。どんな反対意見だったのかについて説明します。
1.そもそも児童相談所の設置主体とは
「児童相談所」は、都道府県が設置主体となります。
都内にある児童相談所は、東京都が運営しています。
しかし、法改正で、23区(特別区)でも、児童相談所を設置できることになりました。
このため、各区が、児童相談所の設置について検討を始めたのです。
例えば、現在「世田谷児童相談所」という都立施設があり、世田谷区と狛江市を管轄しています。これを世田谷区に移管することが議論されるようになったのです。
2.港区の児童相談所設置計画
港区は、区立の児童相談所の設置を計画し、土地として国有地を70億円で買い取りました。
3200平方メートルだそうです。ここで疑問が生じます。
公共目的の施設を建設する予定なのに、なぜ高額の金額で払い下げがなされたのか。
もっと安く購入する方法はなかったのか。

国有地の売却ってどういう基準なんだろう

公共目的なのに70億円なんて
3.港区の住民説明会
2018年12月14日と15日にわたり、港区の住民説明会が開催されました。その中で反対意見が相次ぎ、「ブランドイメージを下げないでほしい。土地の資産価値が下がる」との主張が、住民の中からあったそうです。
そして、この発言をした人が「3児の母」ということで、ネット上では人物を特定する動きがでました。
しかし一般人ですので、ここでは詮索しません。
4.港区住民の反対意見
4-1.ネットでの反対意見の表明
現在、ネット上に「青山の未来を考える会」が反対意見を掲載しています。その理由は、「23区に設置は可能だが、設置義務はないこと」と「多額の税金を使うことに問題がある」というものです。
港区では、土地代金70億円のほか、建設費用として30億円を見込んでいます。
計画では、児童相談所のほか、子ども家庭支援センター、母子生活支援施設との複合施設となっています。
4-2反対意見その2
一方で、最近まで「青山の街を守る会」という団体が反対運動をしていました。
「土地の価値を下げないでほしい」といった意見を掲げていましたが、世間からの逆風に遭い、ネットからは消えています。
反対意見の中に「南青山ではランチに1600円かかる。児童相談所に保護される子どもが払えるのか」などと見当違いのものもありました。
(児童相談所で保護されている子どもには食事が出る)
5.松嶋尚美の発言
12月19日放映の「バイキング」で、タレントの松嶋尚美さんが、もし自宅近くに児童相談所が設置されるなら、「引っ越しする可能性はある」と発言したそうです。これに対しても批判が噴出。
まあ考え方は人それぞれですし、「言論の自由」もあるので、何を言ってもかまわないといえばそれまでですが、あまりに常識を欠く発言をすると人間性を疑われます。
6.まとめ
以上、港区南青山で児童相談所を設置する計画について、反対運動についてみてきました。「児童虐待」などの問題があちこちで聞かれる中、子どもたちを守る手立てが必要です。
港区にも、客観的な証拠を提示して、児童相談所の必要性についてていねいに説明してもらいたいものです。
昨日、noteに音声をアップしました。「17.年賀状について」です。

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