転勤・退職などで送別会が開かれた場合。
大人数のパーティーから、10~20人のこじんまりとした課・係の挨拶まで、いろいろな場面があると思います。
今回はパーティーではなく、十数人の集まりで挨拶を行なう場合を考えてみます。
なにかとしんみりとしてしまう送別会。送られる側が、ユーモアをもって挨拶を行なえば、場をなごやかな雰囲気にすることができます。
NG例なども参考にしながら、サンプルを考えてみましょう。
1.無理に笑いをとろうとしない
のっけから何ですが、ふだんからユーモアをいわない人が、送別会の場で突然ユーモアを含めた挨拶をすると、周りの人たちもどう対応していいか困ってしまうことがあります。
そんなときは無理せず、たとえば挨拶の最後に「どーもありがとーございましたー」とお笑い芸人っぽく、カン高い声で体を90度に曲げてお辞儀をして、挨拶を終えるという手があります。
言葉で笑いをとるというのは高等技術です。
身振り手振りでユーモアを持たせるというほうがカンタンでしょう。
2.責任をなすりつけて
ネットで調べていたら、こんな趣旨の表現に出会いました。
「私は自慢ではありませんが、常日頃から仕事に責任感をもって取り組んできました。私が退職するにあたっては、後を引き継ぐ○○さんにすべての責任をなすりつけて去っていくつもりです」
一度自分をほめておいて、後から落とすという方法です。
3.涙は目から出る汗
感動のあまり涙が浮かんでしまった場合です。
「私、さきほどからハンカチを目に当てております。これは涙ではございません。目から汗がでているだけでございます」言い古されたギャグも、「お約束」で笑ってもらえる可能性があります。
4. 早く止めてください
定年退職のとき。「私はこのたび定年を迎えました。
思い起こせば、私は□□年、○○という父親と△△という母親の元に生まれ、小学校時代はまわりからワンパクと言われ、中学校時代は甘い初恋をして……って一から話していたら30分あっても足りません。
だれか早く私のスピーチを止めてください」
そしてだれからも「止めてください」といわれなくても、「ただいま神様から早く止めろというメッセージをいただきました。これで安心して挨拶を終えることができます。ご静聴ありがとうございました」とオチをつけてしまえばよいのです。
5.ライフセーバー
「あるとき、部下の○○君が、仕事の海におぼれかけているシーンがありました。
私はライフセーバーよろしく、○○君のことを助けにいきました(ここで泳ぐ動作)
『ざぱーん、ざぱーん、ぷはー。○○君、私が来たからにはもう大丈夫だよ。
さあ、いったん陸にあがって、これからの対処法を考えよう』と、そんなことをしたことは、まったく記憶にございません」
これは合わせ技ですね。
6.セクハラにご注意
今定年を迎える世代(私とほぼ同世代)の男性は、若い頃あまり「セクハラ」について学ぶチャンスがありませんでした。
スキンシップのつもりで肩に手をやったり、「○○さんはまだ結婚しないの? 行き遅れちゃうよ」などと若い女子社員に言った例があるかもしれません。
言うまでもありませんが挨拶ではセクハラは禁止です。
若い女性に向かって「○○ちゃん、今まで仲良くしてくれてありがとう。私も退職して暇になるから、いつか一緒に温泉に行って、おたがい背中を流しあおうね」などと言ったらレッドカードです。
7.私の失敗例
私の経験を述べます。
送別会ではなく、歓迎会でした。
ひとつの課で、人数は25人程度。
私は課長で異動してきて、場の中では一番トップです。
そして途中で退席することにしました。
司会の人が「では○○課長は退席されます。最後にご挨拶をちょうだいします」と私が挨拶することになりました。
そこで私はふざけて、「えー、司会の△△です」といったところ、シーンとなってしまいました。
完全にスベりました。
この場合、課長として、大切な話をしなければならなかったのです。ギャグなど入れている場合ではありませんでした。

もっと自分の立場を自覚してくださいよ

いやあ、申し訳ない
8.まとめ
以上、送別会で、送られる側がユーモアをもって挨拶する例について述べてきました。
スピーチは3分以内がいいと言われますが、実際には1~2分にしておいたほうがいいでしょう。
こう考えてみると、送別会の場だけではなく、ふだんからユーモアを持って会話を行なう、ということをやっておいたほうがいいかもしれません。
- 無理に笑いをとろうとしない
- ほんのちょっぴりのユーモアを
- 自分のおかれた立場をよく考える
アイキャッチ画像:S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像)
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