あなたは「諸行無常」という言葉を知っているでしょうか。
とあるサイトに、現代ではあまり使われなくなった、と書いてあるのを見て、驚きました。
私の心の中では今でも生きている言葉だからです。
また堀江貴文さんの座右の銘が「諸行無常」であると聞きました。
今回は「諸行無常」の由来、類語、対義語、英語表現について見ていきます。
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1.「諸行無常」は平家物語が由来?
学校で「平家物語」について学んだ記憶はありますか?
私は小学生の時に冒頭部分を暗記させられました。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と始まります。
「平家物語」は鎌倉時代に作成されたといわれています。
作者については吉田兼好の書いた「徒然草」の中で「信濃前司行長(しなののぜんじゆきなが)」だとされていますが、琵琶法師たちによって語り継がれたものであり、特定の一人が作者だとは言いがたいようです。
「祇園精舎」とは、インドでブッダが説法をしたといわれるお寺です。
そして「諸行無常」という言葉は、「平家物語」で初めて用いられた言葉ではなく、仏教用語です。
2.「諸行無常」の意味
「諸行無常(しょぎょうむじょう)」とは、「世の中のすべてのものは日々変化して、同じであるものはない」という意味です。
仏教の三法印(三つの根本的な理念)のひとつです。
他の二つは、「諸法無我(しょほうむが)」と「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」です。
「諸法無我」とはものごとのすべては因縁によって生じるものであり、たったひとつの存在ということはないという意味です。
また「涅槃寂静」とは煩悩の炎を消すことができれば生きながら「苦」から免れ、悟りの境地に達することを意味します。
3.「諸行無常」の類語

「諸行無常」の類語を示します。
3-1.「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」
この言葉も平家物語の冒頭に出てくるものです。勢いのいい者も、この世が「無常」であるかぎりいつかは滅びるという意味です。
平家物語で語られる栄華を極めた平氏も、20年ほどで源氏によって滅ぼされてしまいます。
3-2.「会者定離(えしゃじょうり)」
出会いがあれば、必ず別れがある。先日、娘夫婦、孫、息子夫婦が私の家に集まりました。
皆が帰ったあと、私はぼんやりとしながら「いつかはみんなと別れなければならないのだな」と考えていました。
それはとても悲しいことですが、だからこそ、今の出会いを大切にしなければいけないと感じました。
3-3.「生者必滅(しょうじゃひつめつ)」
これは諸行無常を人の一生にあてはめたもので、生まれてきたものは、いつかは亡くなるものだということを表わします。
私は時として自分が早く死んでしまうかもしれない、と思いつつ、潜在意識にそれを植え付けると本当に早く死んでしまうので、できるだけ長生きすると思い直すようにしています。
神様は私に統合失調症という試練を与えました。そうならば、逆に長生きしてみせる、と願うのです。
3-4.「方丈記」にも
類語ではありませんが、鴨長明の「方丈記」は次の言葉で始まります。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」
これも小学生の時に暗記させられたものですが、やはり「無常」を感じさせます。
4.「諸行無常」の対義語
「諸行無常」の対義語には次のようなものがあります。
4-1.「万古不易(ばんこふえき)」
「万古」とは永久の意味で、「不易」とは変わらないという意味です。こちらは「諸行無常」と違い、個人的にはあまり使わない言葉です。
4-2.「永久不滅(えいきゅうふめつ」
これは文字通りの言葉ですね。カードで「永久不滅ポイント」などと使われたりします。
4-3.「恒常不変(こうじょうふへん)」
体温や血圧を一定値に保つ働きのことを「恒常性」といいます。
「ホメオスタシス」という言葉を聞いた人もいるのでは?
「恒常不変」という言葉もいささかなじみのない言葉かもしれません。

なんといっても「諸行無常」の印象が強いな

父さんは詩人なんですか
5.「諸行無常」の英語表現
「諸行無常」の英語表現は以下のとおりです。
Nothing is permanent.(永久なものは何もない)
Everything is changing all the time.(すべてのものは常に変わり続ける)
仏教徒でない英語圏の人たちに、「諸行無常」はどこまで伝わるのでしょうか。
6.まとめ 「諸行無常」の意味がわかりましたか
以上、「諸行無常」をいろいろな面からみてきました。
諸行無常と聞くとなんだか寂しい気もしますが、いい意味で活用することもできるでしょう。
「平家物語」や「方丈記」を暗記させてくれた小学校の担任の先生には感謝しています。
今でも年賀状と暑中見舞いのやりとりをしています。
諸行無常は平家物語で有名
もともと仏教の三法印の言葉だった
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