今日の記事では、占いの基本的な考え方、「占いとはどういうことか」「占いと科学の違い」ということについて説明します。
1.占いとは何か
図書館で『占いの謎』(板橋作美著)という本を借りてきました。
(今アマゾンで調べたら古本しかありませんでした)
この本を読んで、私なりに「占いが当たるとはどういうことか」
「占いと科学の違いは」などについて考察したことを書いていきます。
まず、占いというものの意味合いについて考えてみましょう。
著者はこう述べています。
「何かを見て、考え、そして見て考えたことを言葉であらわす、それだけのことである」
これだけだと、どうも腑に落ちません。
もう少しわかりやすく説明しますね。
例えば、易者の目の前にある木片。
占いを知らない人にとっては、それはただの木片にすぎません。
ですが、易者はそれを算木(さんぎ)として見ているわけです。
「何かを見て」にあたるところが「算木を見て」ということですね。
そして「考え」というところは、その易者の独自のやり方によって、算木を用いて占い、その結果を出すということになります。
それを「言葉であらわす」という点が、「あなたの運勢はこれこれですよ」「あなたへのアドバイスはこういうことですよ」と占った結果を相手に教えることを指すのです。
あなたもご存じのとおり、占いにはたくさん種類があります。
日本の「易」では、五十本の筮竹(ぜいちく)と六個の算木を使います。
また、「西洋占星術」では、生まれた年月日と時刻における惑星の位置を書き込んだホロスコープ・チャートから占いを行ないます。
一般の人がチャートを見ても、どういう意味があるのかわかりませんよね。
占い師がチャートを見て、自分の占い方法に従って考え、占った結果を伝えるということになります。
2. 占いと科学の関係
それでは占いと科学との関係はどのようになっているのでしょう。
占いに科学的根拠はあるのでしょうか。
著者の指摘はこうです。
科学が言う法則や理論は、文化や社会がどうあれ、それとは無関係に成立する。
万有引力の法則がイギリスでは成立するが日本では通用しないなどということはありえない。
占いは社会や文化と切りはなして考えることはできない
占いというものは、それが行なわれる社会や文化の影響を受けざるを得ない。そこが科学との違いだということです。
占いというものは歴史的に見れば古代からあったわけです。
そして社会や文化が変わっていくことにより、それらの影響を受けて、内容が変化してきたということでしょう。
3. 科学的根拠がないものはすべて無意味なのか
ここで、「科学的根拠がないものはすべて無意味なのか」という問題につきあたります。
まず、「科学」というもののとらえ方。
科学は日々進歩しています。
たとえば、「潜在意識の働き」に対する科学の見解。
以前ならば、「願い事を信じれば叶う」ということに対して、それが科学的な根拠を持っているとは受け止められていなかったでしょう。
しかし、脳科学、心理学などの研究発展によって、意識というものは顕在意識と潜在意識に分かれていることが理解されるようになりました。
そして潜在意識の力を借りることによって一見奇跡のようなことが起こる、とわかってきました。
ですので、現時点での科学で説明できないことでも、それがすなわち無意味なことというわけではありません。

占いといっても、白か黒かではなく、その中間ということもあるな

逆に「絶対こうなる」といわれると、ひいてしまいますね
4. 「占い」をどう受け止めるか
占いサイトをみると、様々な占い手法があり、いったいどれを選んだらいいのか、と途方にくれるひともいるでしょう。
それぞれの占いに歴史があるわけですから、この占いは正しい、この占いは間違っていると簡単に言うことはできません。
そして、ある占いを選んだとします。
今度は、占ってもらった結果が問題になります。
同じ結果を伝えられたとしても、人によって受け止め方が違うわけです。
それは、私たちが生まれ育ってきた環境というものが人によってまったく違うからです。
家庭環境、学校での友達、社会人になってからの上司、部下、同僚。
同じ人生というものはこの世にありません。
そして、同じ事実に直面した場合でも、それをどう受け止めるかは、その人が持つ考え方次第なのです。
AさんとBさんに占いの結果を伝えたとしましょう。同じ占いの結果でも(そもそも同じ占いの結果が出るのかという問題がありますが、それはおいといて)AさんとBさんが育ってきた社会、共有している文化の違い。
そういったものが、占いを受け止める際にバイアス(考え方の偏り)となってはたらくということでしょう。
世の中には楽天的な人もいれば悲観的な人もいます。
たとえば「金運がいい」と言われた場合。Aさんは「やった、これで豊かになることができるぞ」と素直に信じ、Bさんは「私は今まで金運に恵まれたことがない、なにかの間違いだろう」と否定的に受け止めてしまうのです。
このお話し、長くなりますので次の記事へ続きます。
ポイント
- 科学は文化・社会と無関係に存在する
- 占いは文化・社会の影響を強く受ける
- 占いをどう受け止めるかは人によって異なる
参考

(アイキャッチ画像:サンサンさんによるからの写真)
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